もう一度サヨナラして、また会うところから始めましょう。
メモっていうか下書きっていうか書きたいところだけっていうか。
拙宅の国王陛下のシリアス。確実に私以外の人は(゜ω゜)だと思います。
彼の言葉だった。
「知っていても、どうにもできん事もあるからなぁ。それこそ王にも、神にも。」
そう言って笑った、彼の。
「……………王よ」
常とはまるで別な声音で男が呼びかけた。
直視に堪えず逸らしていた視線を向ければ、強い眼光に捉えられた。
「眼を逸らすことを覚えるな…」
幾度も説かれた教え。
「情に流され、見誤るな…」
幼い頃から説かれた教え。
父の様に慕った男の、同じ言葉が、かつてない程に響く。
自分にしか聞こえない声量で語りかけられるも、第三者の眼がある手前、応じるに応じられないもどかしさに歯噛みする。
「良き主君となれ……」
「――国を売ったアストの僕よ」
背徳と惰性の神の名で男の言葉を遮る。
声が震えぬ様、自身を叱咤し、言葉を繋ぐ。
「その身命を以て国と絶対神に贖うが良い。」
その意味は、事実上の死刑宣告。
告げられた男は、一度俯き、顔を上げた。
「―――有難き幸せ」
「………!」
男の顔は、晴れやかな笑顔だった。
「売国奴めが…しゃあしゃあと」
「笑ってやがる…恥知らず」
さわさわと漣の様に声が広がっていく。
王はふらりと立ち上がり、王座を降り、何をするでもなく男の前に立った。
漣は戸惑いの波になり、更に広がった。
ざわめきに紛れ、男が再び口を開いた。
「…揺らぐな、王よ」
「…所詮、お飾り王家だ。
臣下一人、救えない……!」
吐き捨てる王に、男は宥める様に笑みを浮かべた。
「勘違いをするな、全て私の意思だった。」
「支配者共の犬の振りをして、奴らの筋書き通り死ぬことがか…!」
「国で死ぬことが叶うとは思っていなかったよ。」
口を開こうとすると、肩を掴まれた。
「失礼ながら、王よ。…どうか王座にお戻り下さい…。…王の決定は下った!罪人を連れて行け!」
側近が告げ、ざわめいていた周囲が動き出す。
「…アンタは誰より強くて、優しくて、正しかった。父より父らしかった。ずっと俺の自慢なんだ、師範。」
「此処は、良い国だ。良い王が居る。
…私の自慢だよ、一番弟子。」
2人は互いに背を向け、もう何も、言わなかった。